だって、苦しいの嫌いだし

私が好きな作家さんで、田中芳樹氏という方がいらっしゃいます。
読んだことがあるかどうかはともかく、
『銀河英雄伝説』
という本の題名を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
いや~、あれはすごかった。
私もアマチュアですが小説を書いている者として、こういうのを書けるようになりたいなぁ……と思っています。

その田中芳樹先生のご著書のひとつに、
先生、もしかしてストレス解消で書き始めたんじゃ……
と思うくらい痛快な勧善懲悪のお話があるんです。

その主人公、絶世の美女なのですが、唯我独尊で傍若無人な金持ちの警視庁のエリートというとんでもない女王様設定で、部下のイケメンくんはじめ周囲が振り回されつつ難事件(というか怪奇事件)を解決していきます。

この話の中で、主人公が部下たちに対して言い放った名言(迷言?)のひとつが、

「世の中、ゼニとコンジョウがあれば9割方は解決する、って言うでしょ」

でした(一言一句正確ではありません。もしかしたら8割方だったかも)。

ある意味正しい、と思います。どんなにキレイゴトを言ったところで、世の中お金がなければ生きていけないのは事実ですし、収入の格差が教育の格差につながり、さらに次の世代にも影響が出る、ということも以前から言われています。

私の体感で恐縮ですが、世の中ゼニで解決できるのが8.5割、せいぜい残りの0.5割がコンジョウといったところかと(笑)。

では、コンジョウとは何でしょうか?

文言の解釈では

苦難に屈しない精神=根性

のようです。

「根性見せろ!」
「どんなことも前向きに!」
「苦しいことも耐えて耐えて耐え抜けばやがて報われる!」
「頑張る!」

コンジョウのイメージはこんな感じではないでしょうか。
昔の運動部そのまんま、って感じ。

でもねぇ……

無理なものはムリ!
嫌なものはイヤ!
辛いものはツライ!

と思いませんか?

一瞬だったらガマンできますし、歯を食いしばって頑張れるかもしれません。

でも、これが、今のコロナ禍のように終わりが見えない状況下での「根性見せろ!」だったら?

注射だって、一瞬チクッとするだけだから耐えられるんです。
あれ、ずーーーーーーーーーーーっと痛かったら、大人だって泣いて「イヤダ!!!」って言う人はいると思いますよ。

逆に会社の場合は、「この時期だけ業績が良ければあとは何だっていい」とはなりません。
継続的な右肩上がりの成長を要求されます。

これを根性論だけで押し切る会社は、アナタがその会社に籍を置く限り、ずっとアナタに対して「(数十年間)歯を食いしばって頑張り続けろ」と言っているようなものです。
そんな会社ある!?と思われるかもしれませんが、「心頭滅却すれば火もまた涼し」を経営幹部が従業員に要求する会社って、結構ありますよ。

頑張れませんって。
火はもともと熱をもっているものですから、どんなに頑張ったところで熱いものは熱いんです(笑)。

ここで先日の投稿に戻ります(未読の場合はこちらからどうぞ)。

今を一生懸命
を口癖にして、努力することで運は開けていく

とお伝えしました。

でも、根性論ではうまくいきません、ともお伝えしました。

理由は、上に述べた通り、どんなに頑張ったところでキツイものはキツイからです。

では、どうすれば良いのか?

簡単に言うと、

どう「今を一生懸命」「努力」するか、自分の能力など、環境等も加味した上で客観的、具体的に決めること。

そのためには、

1.目的の明確化
2.目標の設定
3.目標の細分化

が必要になります。

●まずは
何のためにするのか?
なぜするのか?
という目的を、自分ごととして明確にします。
あくまでも「自分ごと」ですからね。
「上司が言ったから」「会社で決められているから」はアナタの目的にはなりません。
キレイゴトで語ると失敗します。

●そして次に
その目的のためにはどうなれば良いのか?
目的のために何をするのか?
どんな風にするのか(どこまでするのか)?
という目標を設定します。
ここでのポイントは「何をするのか?=内容」と「どんな風にするのか?=質」の両方の目標が必要になります。
そうでないと、OKとNGの境界線がわからないのです。

●最後に、内容と質の目標を細分化し、いつまでに実行するかを「自分の能力に応じて」決めます。

あとは粛々と、目の前の課題に全集中、決めたことを実行するだけです。
ここには根性論が入る余地はありません。

仮に、設定した目標が期間内に達成できなかった場合は、

▲ 目的の明確化が甘かった
▲ 目標の設定が間違っていた(努力でカバーしきれない能力以上のものを設定してしまった)
▲ 期間設定が間違っていた
▲ 本人の努力が足りなかった
▲ 取り巻く環境が変わりすぎた(天災、疫病等で)

のどれかか、複数の理由が重なったから、ということになります。

頑張って背伸びすれば届くようなものが目標、なんて言ってるから、目標は達成できないもの、という認識になってほとんどの人があきらめてしまうのだと思います。

とはいえ、自分の能力、その能力の向上度合いを加味して設定するわけですから、完璧な目標設定はとても難しいし、誤差が生じるのは仕方ないことです。

だから期間などチェックポイントをあらかじめ決めておいて、その時点で目標の修正をしていく必要があります。
企業だって、業績の上方修正、下方修正をしますからね。

目標設定のたびに、期限よりも前に達成してさらに上の目標にチャレンジする方が精神衛生的に良いような気がするな~と思うので、強弱つけて作るのですが、前職で「弱」の方の目標を取り上げては「こんな簡単な目標はダメ」と上司からよく叱られました。
困難な方とのバランスとか考えないんだな~この人とは価値観が合わないな~と思って耐えた後、異動した先の上司がメチャクチャ優秀で、管理職でも能力に雲泥の差があるんだな、と感心したことを思い出しました。
T課長、お元気かなぁ…?
直属の上司だった期間は短かったけれど、本当に勉強させていただきました。

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