三尺三寸箸

先にお断りしておきます。
以下内容は、柿安さんのバイキングのお店に関するものではありません(笑)。

コロナウイルスの蔓延から、各国の事情や対応、優秀な人がその国の政府の中枢にいるかどうか、日本政府の対応、お役人がどこを見て仕事をしているか、などなど、モロモロ見えてきましたが、最近になって、SNSで「中国から輸入しているトイレットペーパーやティッシュペーパーなどが入ってこなくなる」というデマが流れ、マスクが買えず、さらに生活必需品がなくなるのではないか?と危惧した、善良で、けれど情弱な一般人がドラッグストアなどに殺到して棚から商品がなくなるというとんでもない事態になったのはご存知の通りです。

中には「デマだとわかっているけど念のために」購入してしまう人もいるようで、不安という正体のつかめないものに取り憑かれると、人間マトモな考えすらできないらしい……と怖くなりました。

そんな中思い出したのが、『三尺三寸箸』のお話です。

むかしむかし、ある人が、地獄と極楽を見学するツアーに出かけたそうな。

……文章は私が脚色しており、また教訓としてのお話なので「んなワケあるかい!」というツッコミはなさらないでください。
最初から話が成立しなくなります。
そこはオトナの対応をお願いします。

最初に地獄に行ってみると、地獄に行った人たちが食事をしていました。
虫とか爬虫類とかグロい食事なんだろうなぁと思ってテーブルを見ると、豪華な料理が山盛りになっていてビックリ。

それなのに、誰一人太っていません。
おかしいなぁと思って彼らの手を見ると、そこに握られていたのは
ながーーーーーーーーーーーーーーいお箸。

その長さ、三尺三寸。

一尺は約30センチメートル、一寸はその10分の1なので、約3センチメートル。
つまり、3尺×30センチ+3寸×3センチ=99センチ、約1メートルのお箸です。長っ!!!

彼らは、その箸を使って、料理を口に入れようと必死なのですが、うまく食べることができません。

隣の人がつまんだ料理を奪おうとする者、それに怒る者、うまく食べられないことに怒りだす者……。
豪華な料理を前に、醜い争いが起きました。

箸が凶器になりそうですよねぇ。地獄だし。

見学した人は「うへぇ!とんでもないモノを見ちゃったな」となったでしょうね。もしくは「マジウケるんだけど」「ヤバくね?」あたりでしょうか。
……まあいいや。

地獄を見た後は極楽です。
極楽でも、ちょうど食事の時間でした。
人々はふくよかで、血色もよく、お肌もツヤツヤ。
痩せこけてやつれた地獄の人々とは全く違います。

「……ん?」

ですが見学していた人はあることに気づきました。
極楽の人も、手に握っているものは三尺三寸箸。
つまり、極楽も地獄も、同じお箸を使っていたわけです。

どういうことかと混乱したでしょうね。
極楽でもあの醜い争いが始まるのかと、固唾を飲んで期待し……ゴホンゴホン。

ところが、期待に反して(笑)争いは起こりませんでした。

極楽の人々は、箸で料理を取ると、目の前の人に食べさせ始めたのです。

食べさせてもらった人はお礼を言いながら
「今度は私が。何がよろしいですか?」
と相手に聞いています。
そんなやりとりがいたるところで起きていました。

見学した人は「いやあ、極楽へ行く人は心掛けが違う」と感心したそうな。

……オアトがよろしいようで。チャンチャン。

これ、最近の騒動に照らし合わせると、なかなか結構な示唆に富んでいると思いませんか。

他人の不幸に乗じて得た利益や、お天道様に顔向けができないようなことをして得たお金は、必ずどこかでそれ以上のものを取り上げられるようになっています。
それが、この世の原理原則、宇宙大自然の法則です。

誰も見ていないから……と思っても「天知る、地知る、我知る」ですから、逃れられないんですよね。

そして、この原則の怖いところは、お金を得たからといって、お金を取り上げられるとは限らない、ってこと。

ご本人の健康かもしれないし、命かもしれない。それでも足りないときは、ご本人ではなく、最愛の人や家族の健康・命をかわりに取り上げられるかもしれないのです。
しかも、ほとぼりが冷めて本人が忘れた頃に、自分が本当に大事にしているものを容赦なく持っていかれます。
後悔しても時すでに遅し、です。
だからね、イジメなんてやっちゃダメなんですよ。親の因果が子に報う、で、めぐり廻って自分の子供が今度ターゲットにされるかもしれないんです。

「26℃でウイルスが死滅するから温かい飲み物を飲んでいれば感染しない」などというわけのわからんチェーンメールを面白半分で発信した人や、トイレットペーパーが入ってこなくなると偽情報を流した最初の人は、たった一度の発信でどれだけの深い穴を掘ったのか……想像するだけで
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
です。

感情の揺れも、大きすぎると「ひずみ」になります。
あわてず騒がず、落ち着いて情報の真偽を見定めて、相手を思いやって行動し、子供や後輩たちにお手本を示せる、素敵なオトナ、誇り高い日本人でありたいものです。

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