最近一番驚いたこと

マンガの感想で
「内容がわからない
 ついていけないから誰か説明して」
というコメントが散見されること。

そして、
「このセリフを誰が言ったかわからない」
というコメントも…。

日本は大丈夫なのだろうか?

と思わずにはいられませんでした。

小説などの文字だけを手掛かりに内容を理解していくものは、自分の経験値や描写の表現から、その場に何が起きていて、登場人物の外見はこんな感じで…と考えながら脳内にその世界を構築しなくてはなりません。

ですが、マンガは、作者が情景を絵にしてくれているので、何が起きているのか、登場人物がどんな感情でいるのかなど、読み手が脳内で創造する必要がない分、小説よりも読むのが楽なんですよね。

ワタシが見た限り、内容がわからない、とコメントがあったマンガは、そんなに難しくなかったし、登場人物たちが過去と現在を行ったり来たりするので人間関係が少しゴチャゴチャしますが、頭を抱えるほどではありませんでした。
絵もちゃんと描き分けられてましたし。
ワタシ、自分は読解力がメチャクチャあるとは思ってません。いたって普通の能力しかありません。

だから、最近の人の読解力の低下に関する情報を見ていると、かなりまずいんじゃ…と思います。
「ワタシでもわかるぞ、これ…」なのですもの。


それでは、ここでちょっと検証してみましょう。

下記の文章は、同じことを言っていますか?それとも、違うことを言っていますか?

A:私は、勉強を2時間した後で、買い物に行くよう、母から頼まれた。

B:私は、2時間勉強した後で、買い物に行くよう、母に頼んだ。

ここをお読みの方は
「は?なに言ってるの?」
と思われたことでしょう。

引っかけ問題ではありませんので、素直に答えを出してくださって大丈夫です。

答えを書くのも無粋かと思うのですが…念のため。
A、Bの文章は、違うことを言っています。

Aでは、買い物に行くのは私ですが、Bでは買い物に行くのは母です。
一目瞭然ですよね。

こんな簡単な問題なのに、正答率は中学生で57%。
つまり、半分くらいの子供は、この文章が同じに見えるわけです。
もしくは、わからなくて当てずっぽうで答えて間違えたパターン。
抜き取り調査した中に、とんでもないお子さんがたくさん含まれていたと…思いたい気持ちでいっぱいですが、そんなに国語力に問題ある子ばかりうまくピックアップすることは難しいと思うので…これがある意味今の日本を表した数字なのでしょう。

これから何が起きるんでしょうか?

個人の問題、とおっしゃる方もいらっしゃると思います。
確かに、困るのは最終的には本人です。

ただですね、この程度の日本語の意味すら理解できない人たちが、10年もしないうちに労働力として市場に出てくる、という恐ろしい現実が将来発生するのですよ。

確率は二分の一(もう少し低いとは思いますけど…)。

そんな人を採用してしまったら…就業規則が読めない、契約書がわからない、お客様から来た指示やメール(その頃メールが残ってるかどうかはわかりませんが)の内容が理解できない…結果、大きな損害を会社に与えてしまう危険をはらんでいます。

ワタシも経営者なので切実です。
ウチのような零細企業、少しの信頼喪失が、会社自体をダメにする引き金になりかねないわけですから。

本来であれば学校教育の中で培うべき能力まで、会社の研修でしなくてはならないのか?
そもそも、研修で数日教えたからといって、そんな簡単に伸びる能力なのか?

考えれば考えるほど問題は根深いな、と思わざるを得ません。

どうやれば読解力はつくのか?

ここまでくると、本をたくさん読みなさい、では解決策として不十分であることがわかります。
そもそも、その本がマトモに読めないはずですから。

ですが、読書で読解力を鍛えるのが一番確実であることも確かだと思います。
読書することで、文章に触れる機会が多くなり、数稽古になるからです。

一番いいのは、読解力のある人と一緒に読書することではないかと。
読解力のある人が、頭の中で何を考えているかを声に出して説明すること、たとえば、自分が何を考えていて、文章のどこからどんな情報を得たのか、などを共有することで、「こうすればいいのか!」と気づき、自分で応用できる人が増えてくるのではないかな、と思います。

うわ~。
これ書いてて、東大京大の人を講師に招いて読書会やりたくなった(笑)。
東大京大の方、ご出身の方、「頭の中、見せてやるよ」と思われたらご連絡ください!

ま、その前に、国語が苦手という意識をなくすことが最優先事項でしょうけどね。

オトナの皆さんは、大丈夫ですか?
読解力バッチリのカッコイイ大人ですか?

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